元・書店バイトの管理人がすすめるスマートな本の買い方

本・書店

アマゾンなどのネット通販による流通が拡大し、町の本屋さんが少なくなってきています。しかしそれでも実際に書店に足を運ぶのは、思わぬ新しい発見や出会いを体験するにはもってこいです。

そこで元・書店バイトの管理人が書店員に一目置かれるためのスマートな本の買い方・書店の利用の仕方をご紹介します。

 

本は基本的に自分で探すとスマート

本屋は大変

いきなり自分の都合でモノを言いすぎだろ!

本屋は暇そうに見えてやることが沢山あります(いやどんな職業、職場もそうです)

商品の棚への補充、レジ打ち、卸業者の営業さんへの対応、返品する本の回収、イベントの準備。

バックヤードでは、入荷した商品の検品、コミックへのフィルムつけ、商品の発注、返品する本の荷造り、などなど。

とにかく現在は儲からない商売なので、常に人手・人材不足に悩まされています。また、本はまとめて持つと大変な重さになるため、肉体労働がほとんどです。

 

少しでも作業が減ると、書店の運営は活気づきます。

 

助けて リテラシーを上げて本に詳しくなろう

本の問い合わせが減るだけで、かなり負担が減ります。他のことに注力できるので、商品の不足を防ぐことが出来たり、丁寧なカバーかけが行なえたり、イベントの企画などクリエイティブな作業を行ったり出来ます。

もちろん本を買ってもらうことが使命であり、唯一と言っていいほどの収益源です。本の問い合わせ自体は全く不当なものではありません。

 

大型書店の場合は棚番号の設置や案内板など、探しやすい工夫が随所にされています。また検索機などを活用することで、在庫のある場所、在庫数、フロア地図なども知ることができます。

自身でその書店の棚の配置や構造を知ることで、探している本がどういった種類でどのような研究や分野に位置しているかを知ることが出来ます。

本を読み効率的に知識を得ることで大事なのは、その情報がどういった情報と関連してるかを知ることです。特に新しい分野の知識を獲得する場合には、大まかな見取り図があるとスムースに取り組むことができます。

 

ISBNで伝えるとスマート

ISBNとは

自分で探したけれど、見つからない・在庫がない、という時はお店の人に聞きましょう。

そこでISBNで伝えると非常にスマートです。(「こいつやるな」と思われます)

ISBNとはそれぞれの本が持っている13桁(または9桁)の固有の番号です。

 

本の題名・タイトルで伝えると間違う(お互いに)

タイトルで伝える場合、こちらが「勘違い・言い間違い」することや、

お店の人が「勘違い・聞き違い」することがあります(お互い人間です。血も涙もあります)

探している本の分野の担当者であれば間違いなどを指摘出来ますが、必ずしもそうではありません。

題名・タイトルが違うと検索にうまくかからず、確認の作業に思わぬ時間を取られます。

 

ISBNは固有の番号なので、番号さえ間違わなければ一発で伝わります。書店員同士でも口頭で伝える場合や注文の発注など、確認が必要な場合はISBNを活用しています。

なにか探したい本を見つけた場合は、題名だけでなくISBNを控える癖をつけると大変便利です。

 

同名の題名・タイトルでも複数ある場合がある

同じタイトルであったとしても複数巻に渡っているものがあります(上下巻、1・2・3巻、基礎編・実践編など)

また人気の作品であると、単行本版と文庫版、古典作品だとオーディオ版なども存在するものがあります。

学校の授業や仕事の打ち合わせで必要な場合は、ISBNも確認しておくと、全く同じものを簡単に指定出来ます。

お互い確認をする手間が何重にも省けますので、ISBNを活用することはオススメです。

カバーを別につけてもらうとスマート

これも消費者として当然の権利ですので、全く気を使う必要はありません。

しかし急いでいてもカバーが欲しい時は、「自分でつけるのでカバーを別にください」と言うと商品の受け渡しが大変スムースに行えます。

一度に沢山買う場合も(ありがとうございます)「カバーを別にしてください」と言ってもらえると、向こう一週間はあなたに足を向けて眠れないくらいの感謝指数を記録することは間違いありません。(ジュースぐらいおごらせてくれ

 

複数冊あったら一番年季の入ったものを買う

これも消費者として当然の〈以下略〉

新品として買うものなので、なるべくキレイで新しい物を買いたいのは当然です。少し古いものや痛みのあるものは同じ物があれば、店に残ります。

日本の書店は再販制度と言うものを採用していて、書店は売れなかったものを卸に返品しその分の代金を返してもらえます。日本中どこでも同じ本を同じ価格で変えるのはこの制度のおかげです。

そして年季の入った本や少し痛みのある本などは、最終的に破棄されてしまいます。

ピカピカのものを買わないメリット①本をフル活用できる

本は読まれてこそ価値のあるものです。キレイなままで本を保存しようとすると、読書以外にも注意を払うことになります。

バッグに放り込むことは出来ないし、お風呂に浸かりながら読むことはご法度。書き込むなんてもってのほか。

本のすごく良いところは、開けばどこでもすぐに読書を始められることです。ピカピカを維持しようとすると、その利点をスポイルし、学習の機会を制限することになります。(モッタイナイ)

敢えて少し傷んだものや、年季の入ったものを買うことで、「汚れてしまう」という気遣いを持たずに済みまず。本の役割を全うさせることができます。

どんどん読んで、どんどん書き込んで、どんどん賢くなります。

ピカピカのものを買わないメリット②キレイな本を買う機会が増える

これはピカピカでない本を買う人が増えないといけないのですが、つまりその最初の人になってみようというススメです。

みんながみんなキレイな本を残していけば、どんどん書店の本はキレイになっていきます。必然的にキレイな本に巡り合う確立が増えるわけです。

またキレイな本が並べば、キレイな本が好きな人が買う機会も増え、最終的な廃棄も減ります。そのことで環境にも貢献でき、廃棄に関わる作業・経費も減り、業界全体に余裕が生まれるはずです。

管理人は雑誌ではとくに見本として置かれているようなクタクタのやつを買います。ものすごく地味な活動ですが、再販制度を下支えしている誇らしい気持ちがあります。

 

まとめ

結局書店の都合のいい客になれってのか、というご意見は最もです。

しかし、服屋さんや車屋さんや携帯屋さんのように、こちらからうざい積極的な営業はやってませんし、できません。いい本と出会うためには自身のリテラシーや知識を深めるのが最短で確実です。

スマートな本の買い方をマスターし、本についてに知識を得ることで、どんどん本の楽しさや学習の楽しさが増していきます。

そしてどんどん本を変えば、書店・出版業界が潤い、本の価格も下がるはずです。また読者全体のリテラシーが上がることで、情熱のない適当な本は淘汰され、面白い本ばかりが溢れる棚ばかりになります。

 

以上スマートな本の買い方でした。早速実行して、本をもっともっと楽しんでください。

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